職人さんたちが支えるものづくり
無限の可能性、美濃焼とAWASAKA
「考え出したらキリがない。アイデアは無限だ。」デザイナーはこう語る。
想像すればするほど生み出されるアイデアやデザイン。それが形となるには手描きのデッサンからはじまります。
陶磁器の生産は、型作りに始まり生地作り、焼成、絵付けなど多くの工程を専門の職人が担当する分業体制で成り立っています。さらに、各工程でも専門分野が異なる職人たちが大勢存在します。
AWASAKAは産地商社ならではの視点で、窯元や職人たちの特性を生かしながら企画・デザインを行い、私たちにしか出来ないオリジナルブランドのものづくりを進めています。
“美濃焼には特徴がない。それが特徴。”でもある美濃焼に、無限の可能性を感じています。





排泥鋳込み


生地の もととなる「泥しょう」を、乾燥した石膏型に流し込んでつくる成形法が「排泥(はいでい)鋳込み」です。排泥する時に“ガバッ”と捨てることからガバ鋳込みとも呼ばれています。この技法で作られる形状は「袋もの」とも呼ばれ、石膏をパズルのように組み合わせ分割できるようにすることで、複雑な形状も作ることが可能です。急須やポットなどが、作られていることが多いです。石膏型が泥しょうの水分を吸収して張り付くので、希望の厚みになったら型の中の泥しょうを排出して乾燥させ、型から外します。この泥しょうや石膏の扱いは、季節や気温などの様々な条件が必要であるため、経験や知識を要求される技術になります。
●主なアイテム

メタルカラー
徳利

シンシャグレーズ
和ポット
動力ロクロ


器の形をした石膏型に陶土を叩き入れて回転させ、コテをあてながら水を使って生地を滑らせて成形する技法が「動力ロクロ」です。通称「水ゴテ」とも呼ばれる成形法です。主に飯碗や湯呑、カップなど回転体の成形に適しています。陶土の量の入れる加減や、縁を切り取る作業など職人による高度な技術が必要です。小ロットでの量産に利用されます。
●主なアイテム

金銀流し
泡立ちカップ

民芸の里
フリーカップ

Cooking Tool
すり鉢
たたら



タタラと呼ばれる板状の土を使って形を作ります。タタラ板と呼ばれる細長い板を使い、土の塊を薄く均一の厚みにスライスして作ります。 型を使う場合には、石膏などでつくった型に、タタラを押し当てて成形します。 この方法では、シンプルな形だけではなく変わった形の器も作ることが可能で、型を使うことで同じ形の器を効率よく作ることもできます。 タタラを型に押し当てる際に表面にわずかな凹凸ができ たり、人の手によって仕上げが施されることで、少しずつ個体差が出ます。 その個体差により、作品は柔らかさと温かみを感じさせる表情になるのです。
●主なアイテム

お野菜珍味
手ロクロ



電気の力で動かす回転可能な円形の台に陶芸粘土を乗せて、足踏みペダルで回転数を調整してその台を回転させて成形します。手びねり成形と比較して、綺麗な回転体が成型できるのが大きな特徴です。基盤を作った後に、好きな形に変形させる事もあります。操作の難易度が高く、同じ形・サイズのものを作るためには熟練の技が必要です。土をろくろに乗せた後に行う「土殺し」も習得するまでには時間がかかります。「土殺し」は、土に残る細かい空気をぬいて粘土の質を均一にする工程です。粘土を高く引き上げて、もとに戻す。これをくり返します。
●主なアイテム

クライミング
シリーズ

五窯
ぐい呑み珍味

腹八分杯
絵付の種類
絵の具が釉薬に沈んでいるか、
沈んでないか、の違い。
「絵付け」とは陶磁器に絵を描くことです。
素焼き後、釉薬を掛ける前の素地に絵付けを施すことを「下絵(したえ)」、
釉薬を掛けた本焼き後の素地に絵を描き、再び焼成することを「上絵(うわえ)」と呼びます。下絵と上絵の両方を組み合わせることもあります。

上絵
釉掛けをして高温で本焼された生地の上に描いた後、低温で絵具だけを焼きつけます。金彩、赤絵など色彩豊かに表現出来ます。釉薬の上に描かれるため、表面はぼこっとして おり、器として使用しているうちに絵が剥げたりします。

下絵
素焼き後の素地に絵付けをし、その上から施釉して焼成する技法です。焼成後の色合いが柔らかな雰囲気であること、焼成前後の発色が異なることです。絵付けの上から施釉されているので、表面は滑らかで摩耗や退色がありません。

下絵付け(パッド印刷) 江戸っ子恐竜 良縁竜 大皿

イングレーズ
上絵付が釉薬の上に絵具を焼き付けるのに対し、イングレーズは絵の具を釉薬の中に 沈み込ませる技法です。 釉薬の上に専用の絵の具で絵を描いて、本焼きに近い温度 で焼成することで、溶けた釉薬の ガラス質の中に絵具が沈みこみ発色します。
パッド印刷






印刷内容の部分が凹状になった版にインクを流し込み、それをシリコンなどの弾力のあるパッドに押し当て、柄が乗った絵の具を写し取る絵付け法が「パット印刷」です。素焼きされた器に押し付けて印刷していきます。デザイン原稿から製作した凹版にインクを流し込み、ブレードを版の上でスライドさせることで余分なインクを取り除き、凹部分にのみインクが残った状態にします。絵柄に沿った凹みに流れ込んでいる呉須をシリコンパットが拾い上げ、器に打ち込み印刷します。プリ ントされる版の絵柄を重ねることで緻密な絵柄や曲面にも印刷が可能です。
●主なアイテム

Pottery field
ケーキ皿

ジャポニカ菊花
80皿
転写
転写紙(上絵付け)


銅版紙(下絵付け)


絵柄を印刷した転写紙を器に貼付け、そのまま焼き付ける絵付け法が「転写」です。転写シートは台紙、顔料、カバーコートからなり、水に浸して台紙を剥離させ、絵柄を器の形状に沿って貼っていきます。転写シール、銅版紙など様々な形態の転写紙が存在し、貼り付けるアイテムに合わせて施工されます。銅版転写の場合、水分を紙にしっかりと含ませ、呉須が溶け素焼きの生地がその絵を吸い込むことで転写されます。シワがよってしまったり空気が入っていると絵を吸い込むことができず、綺麗に転写できないため高度な技術が必要です。この技法は、色、絵柄ともに自由なデザインが可能です。
●主なアイテム

花ちらし
徳利・盃
吹き絵付

スプレーガンで生地に顔料を吹き付けます。全面に均一に吹き付ける総吹き、ボカシ吹き、糸状に吹き付ける糸吹きや、型を用いる型吹きなど様々な吹き付け方法があります。
手作業で塗装の色ムラが無いように厚みを均一にするためには高い技術が必要になります。
●主なアイテム

メタルカラー
トールカップ

シャンパーニュ
シリーズ

メタルカラー
酒器
素描


絵柄を筆を用い直接描くことをいいます。繊細な手作業で高度な技術を問われます。一つ一つが手描きであるゆえ、生産性は低くなりますが、一つ一つに温かみがあり、違う表情を持つのも醍醐味であり味わいになります。
●主なアイテム

おひとりさま酒器
古染水山
塗り


水や油で溶いた顔料を刷毛で描く技法が「塗り」です。素描と塗りの両方を行う場合は、素描のあとに行います。
●主なアイテム

ジャパンゴールド
SAKEセット

Wabiabi
小判鉢

十草丸丼ペア
筋絵付



金線・銀線また色筋を筆で加飾します。装飾を待つ器をロクロに乗せ、ロクロを回しながら直接筆を入れていきます。一定の幅で細い線で繊細に描かれる駒筋、おおらかに纏うような大きな筋で描かれるものなど様々なパターンの筋絵付があります。
●主なアイテム

金彩結晶
金彩ライン 盃

おひとりさま酒器
古染山水
イッチン



イッチンとは、チューブ型やスポイト型の筒のことを指します。この中に泥しょうや釉薬を入れて絞り出す入れ物のことです。筒に入った泥しょうを作品に装飾する技法を「イッチン描き」と呼び、「筒描き」とも言われています。平らな器面に絞り出した泥をつけると、その部分が盛り上がって模様となります。泥しょうの他に、釉薬をイッチンで使うこともあります。模様に凹凸が生まれ立体感のあるデザインになるのが特徴です。
●主なアイテム

Wabisabi
黒釉一珍